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2013 年 11 月 6 日 のアーカイブ

タイムレバレッジ

2013 年 11 月 6 日 コメントはありません

先日、本屋で立ち読みをして面白そうだった本「中古ワンルーム2戸からはじめる家賃40万円稼ぐ黄金の法則」を購入しました。

何が面白そうだったかと言うと、“タイムレバレッジを効かせて返済スピードを加速させる”という
ファイナンス的な発想が盛り込まれているところです。

この本の趣旨を端的に表すと、

  • 都心で中古ワンルームマンションを2戸保有して、ローンが無い状態にもっていく
  • 3戸目にローンで購入して全3戸の家賃収入をそのローン返済へ充てれば短い期間で完済に至れる
  • その後も同じ手法を繰り返せばどんどん物件を増やしていける
  • 計6戸で、18年5ヶ月後に家賃収入42万円を達成(繰上返済した場合のシミュレーションもあり)

といったところです。

発想自体には共感し、具体例がシミュレートしてあるので把握しやすい説明でした。

ほぼ読破しましたが、その他にはこれといって目新しい情報は私にはありませんでした。

ただ、疑問な点がチラホラと。

  • 表面利回り6%、7%あたりを想定している内容だが、これではキャッシュが回らないだろう
  • ワンルーム市場を楽観視し過ぎているのではないだろうか

といった点。

特に1、2戸目がこの低利回りだと、税金や管理費・修繕積立金を引いた実質利回りは1%程度あればというところでしょう。
これをローンで購入の場合は完全にキャッシュフローが赤字に転落するでしょう。

また、7月にビッグサイトで開催された賃貸住宅フェアで入手した、リクルート社(SUUMO)の賃貸統計資料では、
ワンルームは23区であっても礼金無しの割合がここ4年間は30%を超え、2007年、2008年から比べると倍増しています。
敷金も12.5%が無し物件で、こちらも2007年、2008年から比べると2~3倍です。
賃料についても、フェアに参加した時の記事で触れていますが下落基調。

この状況下でワンルームマンションに手を出すことは、かなり危険を伴うのではないかと思います。

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