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不動産でファイナンス(物件評価)


今月も何冊か本を購入しましたが、中でも私が興味を惹かれたのは、
猪俣淳さんの「誰も書かなかった不動産投資の出口戦略・組合せ戦略改訂版」です。

物件のポテンシャルを数値化して、

  • 効率を見る指標
  • 安全性を見る指標

から投資に値するかどうかを判断するものさしを持とう、
というようなコンセプトです。

  • 一棟物が優れていて区分所有が劣っているというような考え方自体に意味がない
  • 数値が悪いから絶対ダメという物件単体の視点ではない

というような基本スタンスが伝わってきます。

強みなり弱点なりを先の指標で把握し、他物件と補いあってポートフォリオを
形成していくことが大事と意識させられます。

猪俣さんの場合は、物件の性質を3タイプに分け、意識的なポートフォリオを構築されています。

これまでは、シミュレーションして

  • インカムゲイン累計
  • ROI
  • 自己資金推移
  • 売却時キャピタルゲイン
  • 売却時キャッシュフロー総額

といった数値からの判断しか用いていませんでしたが、今後は本書にあるような
「効率を見る指標」「安全性を見る指標」といった指標からも分析していけるようになりたいと思います。

ちなみに先日の坂戸の物件をこれらの指標に照らしてみると・・

まず物件の基本情報から。

物件価格 ¥3,500,000
自己資本 E ¥740,000
ローン借入 LB ¥3,000,000
投資総額 E+LB ¥3,740,000
潜在総収入 GPI ¥636,000 ←満室で相場家賃
空室損・滞納損 ¥0 ←空室や滞納損失
雑収入 ¥0
実効総収入 EGI ¥636,000 ←稼動している収入
運営費 Opex ¥257,000 ←管理費など運営費
営業純利益 NOI ¥379,000 ←正味のネット収入
年間負債支払額 ADS ¥201,000 ←ローン返済額
税引前キャッシュフロー BTCF ¥178,000 ←税引前の手取り
納税 TAX ¥75,000
税引後キャッシュフロー ATCF ¥103,000

であります。それぞれの指標を計算すると・・・

効率を見る指標
ローン定数 K% 6.70% ←ADS/LB
総収益率 FCR 10.13% ←NOI/(E+LB)
自己資本配当率 CCR 24.05% ←BTCF/E
レバレッジ判定 +(ポジティブ)
自己資本回収年数 PB 4.15年 ←E/BTCF
安全性を見る指標
ローン支払いの安全性 DCR 1.89 ←NOI/ADS
損益分岐点 BE% 72.01% ←(Opex+ADS)/GPI
ローン資産価値比率 LTV 0.86 ←LB/物件価格

各々の数値の意味合いは今回の記事では割愛しますが、
やはり目にとまるだけの物件だけあって、まずまずの値を出していることがわかります。

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