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2014 年 7 月 31 日 のアーカイブ

瑕疵担保責任

2014 年 7 月 31 日 コメントはありません

不動産売買において、売主はなるべく責任を負わないような契約を結びたがります。

以前知人が一棟物の買付申込み一番手での交渉の際に、瑕疵担保期間の交渉をしたそうです。

一般的には3ヶ月間の瑕疵担保期間を設けることが多いですが、そこを1年間にという交渉です。

併せて価格交渉もしていました。

そこへ二番手の買付申込み者が入り、「瑕疵担保期間不要」とまくりを仕掛けてきました。

結果、二番手の方と契約が成立し、知人は負けました。

価格交渉も私が聞いた限りでは少しのものですし少しでも安くならないかな程度のものでしたが、

売主的には、瑕疵担保責任免責でOKの二番手が現れたことにより、知人は面倒な客になったというところでしょうか。

そもそも、この瑕疵担保責任。

隠れた瑕疵があった場合には、買主が善意無過失である場合は、

  • 契約の解除
  • 損害賠償請求

をできるという決まりが民法にあります。

その隠れた瑕疵に気づいた時から1年以内に相手に伝えればよく、訴訟の提起が1年を過ぎていても責任追及可能です。

しかし、片や売主は、当然ながらこれを嫌います。

そこで、3ヶ月程度の期間を基本にしている業者が多いですし、瑕疵担保責任免責の特約を提案してくる場合もあります。

売主が事実を知っていながら瑕疵を告げなかった場合を除いて、この担保責任を負わない特約は原則有効です。

買主的には、半年~1年くらいは瑕疵担保責任期間が欲しいと思いますが、法律に照らしての攻防なので仕方ないところです。

逆に、どうしてもまくりたい時は、この二番手の人みたいに交渉に使える項目でもあります。

もちろん、本当に瑕疵が見つかった時には痛い思いをしてしまいますので、万一の際にも備えた上でという話になります。

ただ、売主が宅建業者であった場合には、担保責任不要と特約を結んでもそれは無効になりますから、

それを知った上で「瑕疵担保は不要です」と言っておきながら、実際に何か問題が起きた時には瑕疵担保責任を問う、

というのも、どうしても欲しい物件を巡る駆け引きならアリかもしれません。
(まっとうな宅建業者ならそのような話に乗ってこないとは思いますが)

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